2008/06/24

レシプロシティに逆らうと・・・

 今日、お中元が届きました。20年ほど前初めて浜松に赴任したとき、近所でお世話になった方からです。ありがたいですね。三方原の馬鈴薯です。美味しいんですよ。さて、こうして頂き物をすると、さっそくお返しを用意します。今年は何にしようかな。このようにお返しを用意しようとするのはごく自然なことです。レシプロシティが働いているからです。
 レシプロシティとは、何かをしたらお返しをもらえる、あるいは何かをもらったらお返ししなければならない、という社会通念です。この社会通念は、時代や文化を問わず、人間社会に普遍的なものと考えられています。スウェーデンや中国の原住民にも、ニューヨークのビジネス人たちにもみられるそうです。お中元に限らず、日本の社会のいたるところでレシプロシティは働いています。もちろん、日本のビジネスの世界でも。「営業担当者からお客さんの情報を知らされ、製品開発に役立てられた。お返しに新製品の情報をいち早く伝えたところ、営業担当は早期に見込み客を獲得できた」などということは、日常的に起こっていることです。ありがたいな、と感じることをされると、相手にとって役立つことをしたくなる。これはレシプロシティがあるから。このようにそれぞれがもっているものを交換しながら、人々は社会を築いてきたとも言えるわけです。
 さて、このレシプロシティを無視したり逆らったとしたらどうなるか。「あいつは何かしてやっても、何も返さない」と感じると私たちどうするでしょう。多くのかたが、そのような人を相手にしなくなってしまうのではないでしょうか?だとしたら、それは相手の行為が、レシプロシティに反するからです。レシプロシティに逆らえば、集団の中で孤立していく。すると会社の中でも、なかなかいい仕事ができなくなりますし、会社を辞めなければならなくなる場合もあります。みなさんの周りで、そのようにして孤立している人に会ったことありませんか?その方、苦しそうではありませんか?
 レシプロシティに気づかないと、このような落とし穴に落ちやすいですね。逆にレシプロシティを意識すると、人間関係がより豊かにできるのではないかな。だからこそ、親や教師、上司は、それぞれの社会の中でのレシプロシティを教えているのですね。

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