2008/06/07

僧侶と信徒

 お坊さんの法話をうかがう機会がありました。といっても私はどちらかというと部外者で、他の多くは信徒さんのようです。お話しは面白かったしためになりましたが、私が感心したのは、聴衆が実に熱心にお話しに聞き入っていることでした。お坊さんのお話しに深くうなずき、お坊さんのお話が活気づいてくると笑いもしばしば。これだけ明確なフィードバックがあれば、話すのは楽しいだろうな、とうらやましくなりました。学生も、会社員も、これほどまでに反応しません・・・・
 これをカレンシーの交換で考えてみましょう。信徒さんや檀家さんは、お坊さんになんらかのありがたみを感じている。ある人は相談に乗ってもらった、ある人は親の最期にお世話になった、またある人はお坊さんのお話に救われたなど、なにかありがたい思いをしたに違いありません。それで今度は、お世話になっているお寺やお坊さんのために奉仕する。今日、みなさんがお話を熱心に聞いていたのも、お坊さんにお返ししているといえます。熱心に聴いている聴衆を見れば、ますますいいお話しをしたくなる。こうしてカレンシーが交換され、双方の関係が深まっていくのでしょうね。
 こう考えると、授業で学生が話しを聞かない理由も説明できます。ありがたみが足りない、ということかな(^_^;)

 

2008/06/06

ナポリ料理 ザオー

 仕事がら声の出し方には注意しなければと思い、昨年からナポリターナ歌手の天地りつ子先生のボイストレーニングを受けています。先生のお宅は千葉市花見川区でイタリア料理(ナポリ料理)店「ザオー」を経営していらっしゃいます。ご主人がつくるここのピザは、わざわざ食べに行く価値があるおいしさ。私は大好きです。このお店、今度イタリアで修行してきた息子さんも合流したということですから、きっとメニューの幅も拡がるのでしょう。「これからは長期休業はいたしません」という張り紙が可笑しかったです。息子の効果!

2008/06/05

東大でエグゼクティブプログラム

 東京大学が、エグゼクティブ・マネジメント・プログラムを開講するとの報道がありました。東大といえば、やはり日本のトップ大学。その東大がリーダーシップ育成に乗り出したのは、他のビジネススクールのみならず、管理者教育会社にとっては大きな脅威でしょう。
 企業の教育責任者だった経験から言えば、40代のリーダー教育の重要な要素に、社外のネットワークづくりがあります。欧米のビジネススクールに派遣する場合も、ネットワークづくりは主要な目的のひとつでした。ですからトップ校にしか送りません。ネットワークづくりという観点からは、トップ校以外意味が薄れるからです。東大を舞台にしたネットワークづくりに、企業や官公庁が興味を示さないわけがないでしょう。
 さて、この強みをカレンシーの交換で考えると・・・・東大は歴史も長く、社会に多大なカレンシーを提供してきたと言えます。ひらたく言えば、東大が育てたエリートのような方たちが、社会のいたるところで活躍している。彼らは、東大出身であるために多大な恩恵を享受きた。その方たちが、母校にお返しをするわけです。そのネットワークに入りたい外部者も少なくないはず。ですから600万円の講座など、あっというまに席が埋まってしまうのではないかな。

2008/06/04

稲盛和夫氏(京セラ元会長)

 キャリアの授業では、学生にビデオを見せることがあります。今日は稲盛和夫氏がインタビューに答えたもの。氏の京セラ設立当時のエピソードは、著書にも書かれていますから、ご存じの方も少なくないでしょう。
 今日は、そのビデオをみながら、あらためて、なぜ同志6名は稲盛氏とともに会社をつくろうと思ったのだろう、と考えました。ここにも影響力が働いているはずです。
 稲盛氏が語った仕事への熱き思いが、同志たちのビジョンになっていたことは間違いないでしょう。さらに氏は態度でビジョンを示しました。お客のためには、ストライキ中といえども仕事を休まなかった。本物のビジョンが大きなカレンシーであることは、影響力の法則が示すとおりです。正しい道を進んでいる、と感じられることも、強力なカレンシーになりますね。
 かくして同志たちは、自分たちが大きな犠牲を払ってでも、稲盛氏の技術に賭けることを約束します。この約束が、稲盛氏にとって大きなカレンシーになったことも、また間違いありません。

先生の影響力


 多かれ少なかれ、誰でも影響力を持ちたいもの。少なからぬ人たちが、昇進すると影響力が高まると思っていらっしゃいます。それから資格や学位があることも、影響力につながると思われているようですね。おそらくその通りなのだと思います。
 ところが興味深いことに、影響力の少ない上司が少なくない。医師は患者に生活習慣を守らせることに手を焼いています。仕事がない弁護士や会計士がいるって、ほんとでしょうか。どうやら地位や資格は影響力を発揮するに十分条件ではないようです。
 今日はある「先生」と呼ばれる専門職について話し合われました。その先生の中で成功している方は、やはりクライエントが言うことをよく聞く。「まあ、先生の言うことなら仕方ないか」という感じ。それに対して多くの先生が、クライエントをコントロールできずに苦労しているようです。法律を背景に「禁止」といわなければならないのですが、私の聞いた印象ではどうもそれが容易ではない。こっそりウラで約束破りが起こっているような気がします。
 クライエントを従わせている先生の秘密は何か。どうやらここでもカレンシーの交換が起こっているよう。それは食事しながら個人的な相談に乗っていたり、さまざまな情報共有をしているなかで行われているようです。
 先生も先生ではいられない、ということでしょうねえ。先生たちのご意見をうかがいたいな。
(写真は「先生」とは関係ありません)

2008/06/03

8月1日 ステークホルダーマネジメント〜「影響力の法則」セミナー

 主としてプロジェクトマネジャーのみなさんを対象とした、1日セミナー “ステークホルダーマネジメント〜「影響力の法則」セミナー” が、8月1日(金曜日)ダイヤモンド石山記念ホール(東京都渋谷区)にて開催されます。
 プロジェクトマネジメントの一領域に、このステークホルダーマネジメントがあるのですね。ステークホルダーですから、プロジェクトの発注者、上司、他部門のマネジャー、メンバーだけでなく、協力会社のマネジャーなど、関わっていかなければならない相手は少なくありません。それにもかかわらず、たいがいやっかいな相手が多い。やっかいだなあ、弱ったなあ、という問題に、人が絡んでいる方には、役立つセミナーですよ。ぜひご参加を!株式会社PMオフィスとの共催です。
http://pmstyle.biz/smn/influence.htm

2008/06/02

「影響力の法則」続編


 「影響力の法則 現代組織を生き抜くバイブル」は、おかげさまで多くのみなさんの元にお届けしてきました。なかには「本当に役立っている」といってくださる方がいらっしゃいます。嬉しい限りです。
 この秋を目標に、翻訳していない残り8章の邦訳を出版する予定です。プロジェクトを動かす、変化への対応、など難しい状況での対応について書かれた応用編。出版は再び税務経理協会です。今日、税務経理協会を訪れ、常務の大坪克行さん、編集者の新堀博子さんと続編の相談をしてきました。話していると、いろいろなアイデアが湧いてきます。実はこれも影響力。他者のアイデアに、お互いに触発されていますからね。どんなものができるのか、楽しみです!

2008/06/01

門前仲町と成田山


 20年来の友人、久保田浩史君と、門前仲町でいっぱいやりました。久しぶりに歩いてみると、実に懐かしい感じの街ですね。ここに成田山があることは忘れていました。富岡八幡宮と並んでいます。深川の街の多くのみなさんが、不動明王の姿を仰ぎながら、自分を励ましてきたのでしょう。そうしてあの商店街が続いているのではないかな。

プロジェクトリーダーの憂鬱

 ソフトウェア開発のプロジェクトリーダーの方とお話ししました。これまでに色々あって、アフターセールスのチームリーダーと折り合いが悪いそうです。彼の開発が遅れて、アフターセールスチームはお客からさんざん文句を言われてしまったのですね。
 その問題は解決したのですが、そのあとです。なんとなくわだかまりがある。不信感を抱いているのを感じる。そのため、何か依頼したいことも躊躇われて、逆に相手に妥協してしまうことがしばしばだ、というのです。
 カレンシーの交換、という観点で説明すると、よく分かりますよね。相手にネガティブなカレンシーを渡してしまっているので、そのあと何となくカレンシーの埋め合わせをしているという状況です。うーん、きついですよね。こういう相手が何人もいたら、出社するのが嫌になってします。同僚が、借金取りのように見えるでしょう。それで、利息だけ払い続けている。
 さて、どうするか・・・。ここは一括返済した方がよいでしょう。「ごめんなさい」をはっきりいうことです。そのうえで、これからあなたとうまくやっていきたいが、どうしたらよいか、と尋ねてみてはいかがでしょう。このような思い切った歩み寄りは、相手の意表をついて、ぐらっとくる可能性を高めます。
 彼が、もっとラクに仕事できたらいいな、と心から思いました。がんばって!