2008/09/02

首相の辞任

 福田首相が辞任しました。これしかなかったのだろうな、と感じました。次の選挙は麻生さんでと決めていたと思いますし、あとはタイミング。一部の報道で見られるとおり、早く総選挙をしたい公明党に配慮したのではないでしょうか。勝手な推測に過ぎませんが・・・
 首相のような仕事でも、周りを動かしていくのは難しいと、あらためて感じました。ポジションだけでは人を動かせない。また一事例を見たというわけです。
 長く仕事をしていれば、色々なところに貸し借りができる。カレンシーの交換です。交換が影響力になっているというのが、影響力の法則の基本概念です。ですから、首相のようなポジションで人を動かすには、そうとうあちらこちらに貸しを作っている必要がある。これまでそういう人が選ばれてきたのでしょう。ただ問題は、貸しがあるということは少なからず借りもある。しがらみですね。それゆえ、逆に思うようにならないことが少なくありません。小泉、安倍、福田の三氏の特徴は、この貸し借りが少ないことだったのではないかと思います。それぞれ閣僚経験はあったかもしれないけれども、どちらかといえば、孤高の人たちなんじゃないでしょうか。柔道の石井選手の言い方にならえば純粋ということです。だから、孤立しがち。これまでの大物、たとえば竹下派6奉行(だったかな)のようなしがらみだらけとはちょっと違う。だからこそできたこともある。郵政や道路の民営化とか。一方そのためにできなかったことも少なくないはず。協力者が少ないのだから。大連立に失敗した時点で、辞任は当然の帰結なのではないでしょうか。
 この辞任を国民がどう見るか。マイナスのカレンシーと受け止めれば、だれが総裁になっても苦戦は必至。組閣次第では、マイナスのカレンシーと受け止められないかも。この大逆転に掛けているんじゃないかな。すべて推測ではありますが。いずれにせよ、この後の景気後退をうまく乗り切るリーダーシップを発揮してほしいですね。