2008/11/15

不自由なあし

 仕事で大阪にうかがっています。日中は初めて天王寺までいき、その後梅田でクライエントの関係者の方にお目にかかりました。実は、しばらく前にひざを痛めて、未だに右足を引きずっている始末。先日は整形外科の医師から、この場所は長引くんですよね、でも大丈夫。今月いっぱいでしょう。といわれて、長いなーと思いながら、先が見えて安心してきたところです。1泊とはいえPC持ち歩いていますから、荷物は軽くありません。そのうえ、慣れない街の地下街を歩いたりして、少々不自由な思いをしています。こんな状態で、大阪駅で女性とぶつかりました。互いに大したことはないのですが、それでも自分のことで精一杯で、黙礼で失礼しました。余裕があれば、もう少し丁寧に対応するのですが。
 今の職場のリーダーも、このような状態でしょうか。全体を見るよりも、目の前のことで精一杯だと、部下や顧客にまで配慮がおよばなくなる。それが影響力を下げてしまいますね。組織は、彼らに対する援助を忘れてはならないでしょう。また個人は自分の体をメンテナンスしないとね。

 メフィストのシューズで移動したために、ひざは痛くてもどんどん歩けてしまいました。ほんとうにすごいな。

2008/11/13

叱る

 ああ、やってしまった。大学の授業で、学生が落ち着かないので、怒ってしまいました。「でてけー」などといって、いいながら嫌だなーと思ったんだけど、いった方がいいと思って。
 叱るというのは、叱る側にも大きなリスクがあります。相手が誤解すればその後ついてこなくなるし、部下からの評価もあり得る現代組織では、マイナス評価をいただく可能性もあります。なにより自分をさらけ出さなければならない。今日はそういう意味では少し危ないと感じました。最初に叱ったとき、学生が飲み込めていなかったからです。何で叱られるのか。その反応を見てからは、今度はこちらがエッジに立っている気持ちになりました。「やばい、やりすぎた」ひとつまちがえば、言葉の暴力となります。
 そこで、なぜこんなにも怒るほど叱るのか、心を込めて説きました。ほんとうにそうです。また景気が悪化して学生の採用は厳しくなるでしょう。連日ニュースでも内定取り消しとか、きな臭い話しをしています。2010年以降、採用状況は厳しくなること間違いありません。基本的には、組織はリストラ傾向にあるのです。段階の世代が大量に退職したという大企業でも、戦略的な人材以外は機械がやってくれるか、外注しています。本気でないひとは採用されないでしょう。自分が採用担当者だったら、ほんとうに会社に貢献する人以外は不要だし、幹部に引き合わせたくもない。平均的な学生を紹介したら、採用担当者は責められるのですから。そんな厳しい環境でも、彼らには、ハンディをものともせずに社会にこぎ出してほしいし、幸福なキャリアを送ってほしい。望む仕事にたどり着いてほしいのです。ですから、そのようなこちらの意図を、説明しました。わかってくれたんじゃないかな。それで一安心。
 でも、叱るのは疲れます。疲れたとしてもやらなければいけないときがある。目が覚める、ものの見方が変わる。そんなしかり方をしていきたいものです。来週からは、こちらも自分で言った以上のことをしていきましょう。大きなカレンシーの交換になるといいですが・・・

2008/11/11

小室哲哉のキャリア

 最近セミナーが続き、うっかり守秘義務に反するリアルなことを書いてしまいそうになるので、少し中心から離れた話しになりがちです。
 先週詐欺の容疑で逮捕された小室哲哉について、考えること。彼のように億万長者になって、「おまえの才能で稼げる」などといわれた人が、どのような意思決定をしてきたのか。大いに興味のあるところです。報道によると、音楽に飽きたらず音楽ビジネスに舵を切っていたようですね。ひとつの見方は、自分に合わない、あるいは不相応な領域に手を出したということ。音楽家でいればよかったのに、という人も少なくないでしょう。
 でも年間20億も稼げる人を、周りがほっとくはずはない。そうして上手いことのせられてその気になって、色々やってしまったのではないでしょうか。このような周囲の力に逆らうことは難しい。金持ち(成金?)、才能のある人ならなおさら。実はみんなの世話になってきていることを知っているから、お返ししなければとどこかで思っているに違いありません。たぶん、本人悪い人ではないと思います。被害者も「更正を望む」といっていますね。でも、人生の構造が変わったときに、意思決定も思ったようにならなくなる。みんなの圧力に負けてしまうわけです。
 ここで謙虚でいられる人は強いですね。自分はそうありたいとは思いますが、やはり難しいでしょう。だから、全財産を寄付する人が出てくるのだと思います。自分が恐いですからね。

2008/11/09

有頂天ホテルとキャリア

 三谷幸喜氏の作品、映画「the有頂天ホテル」を観ました。あるホテルの大晦日のできごと。わずか数時間の人間模様を描いたものです。この作品にはキャリア自律のプロセスが描かれているようで、おもしろかった。来年はいい年にしよう。登場人物はみんなそう思っています。転職、告白、結婚など、大晦日にリセットしようとする。でもそう簡単ではありませんね。会社を辞めて、夢をあきらめて国に帰ろうと思っていた若者。結局またあきらめずに続けることにする。追い込まれて自殺しようとした代議士。勇気をふるって記政治生命にかける。今の仕事に誇りを見出したあとでは、同じ仕事に就いていてもまったく異なる自分になっているはずです。これこそキャリア自律の体験でしょう。変わったのは周囲ではなく、本人の内面だ。覚悟を決めるんですね。すると、周りも動いてくれたりします。
 そんな体験が数時間にうちに何人にも訪れるのがおもしろい。それを長回しで撮る。さすが三谷作品、とうならざるを得ませんでした。一度授業で使ってみたいけど、ちょっと長すぎますね。