2008/12/05

プロフェッショナルの影響力

 ひさびさに高度なプロフェッショナルの方がたの研修を担当しました。いわゆる「士業」といえども、チームで仕事を進めるのがふつうです。とくにクライエントの規模も課題も大きくなると、何十人ものチームでプロジェクトにあたっています。部下も先生などといわれる専門家。多くの先生の協働が必要です。ところが、これは簡単ではない。高度なプロフェッショナルほどチームマネジメントが難しくなるのは、専門能力の高い部下がいつ辞めてもいいなどと思っていることも、その背景にあります。いい喩えではないかもしれないけれども、最近病院で医師不足が問題になってますよね。過酷な環境でやっていられないと感じたら、他でも雇用の機会が得られやすいだけに、辞めてしまうのは無理からぬことです。(このことで多くの患者と医師と関係者が傷ついていることは、また別の深刻な問題です、念のため)。したがって、彼らの専門能力を活かすための戦略が必要となります。
 ひとことで言えば、やりがいと成長の可能性を感じるように、どんなカレンシーを用意できるか、ということだと思います。若いプロフェッショナルが、何に喜びを見出すのか。リーダーは彼らの目線で真剣に考えなければならないでしょう。そして、若い人をなめたらいけない。私が会っている多くの若者が、荒削りだし、礼儀もなっていないものの、純粋で可能性を感じさせてくれます。次世代は彼らの時代なんですから!

2008/12/03

ビッグスリーの危機

 アメリカの自動車メーカー3社(GM、Ford、クライスラー)の危機は、いよいよ時間の問題になっています。なかでもGMは年内に資金が底をつきます。年内に40億ドル注入してくれ、と政府に泣きついてますね。GMにはお世話になり、Fordにも関わったものとしては寂しいことです。創業140年のリーマンブラザーズが見棄てられ破綻したことを考えると、GMは雇用も含めて影響が大きいので政府から手を入れられるにせよ、GMといえども潰れるんだ、とあらためて驚きます。
 GMとFord、どちらを尊敬するかといえば、私はFordです。20世紀初頭、従業員の給与を他に類を見ないほど高くして、クルマを割賦で買わせる。こうして労働者の未来を買う、そのうえ金融でもうけるというモデルは、20世紀のすごい発明だと思います。やはり労働者を裕福にして購買力をつくった功績は甚大ではないか。それからくらべたら、GMはマーケティング会社かな。でもこうして労働者の未来はサブプライムなどに散ってしまった・・・年金も・・・・。そうして、ここから21世紀が始まるような気がしてなりません。
 21世紀の智恵を結集することが、これから数年の課題でしょう。その時は新しい能力が問われると思います。それだけに、影響力が求められると思っています。