2009/12/29
勝間和代本1
内容はいいお話しです。勝間和代の著作にはレシプロシティの原則に従え、と示唆されています。本書では一人で抱えていては夢は叶わない、まわりを巻き込もう、という主旨のメッセージが、4ステップで説明されており、わかりやすいですね。読者に実行を後押しする著者の意気込みもかんじます。
私が注目したのは、この著作のなかでお世話になった人の名前がどんどん出てくること。そうやって、読者を別の情報に誘うのは読者にも有益ですし、恩返しにもなる。知識の循環を促進する著者の意図にかなっていて、さすがですね。この本自体がレシプロシティに沿っているというわけです。
2009/12/18
企業研究
私は就職活動のため学業がおろそかになっている現状を、憂いています。学校の勉強など役に立たない、といえばその通りかもしれません。しかし何かに打ち込む機会を失っているのは、若者にとって望ましくない。社会全体で現状の打破を考えていきたいところです。
その企業研究ですが、あまり熱心に時間を費やすのはいかがなものでしょう。卒業生に会うとかそれ自体は結構ですが、自分が採用担当者なら必ずしも好ましく感じないと思います。なぜなら、1相手を研究するのは相手を選べる状況においてであるが、現状は選べる状況にない 2情報を丹念に集めるのは、やり過ぎるとリスク回避になってしまう。
このご時世、リスクを避ける態度は好まれないんじゃないか。それより自分を使ってください、なんでもします、という姿勢こそ相手が求めるところだろうと感じます。そういう若者は採用されたことに感謝し、パフォーマンスを発揮する、と企業サイドは受け止めるに違いありません。ここにもレシプロシティが働いています。
いずれにせよ、学生の未来をみんなで応援しましょう!
2009/12/04
2009/12/02
2009/12/01
2009/11/25
40代の決意
ある女性は、ご自身が子供たちをしかりながら育ててきたことを思い出されました。職場でも後輩、若手をしかる勇気をふるおうと述べていました。ある男性は自分はまだまだいける、後輩の支援よりももう一花咲かせる、と、また別の男性は、何年もとりまとめ役をやっており、自分は現役から離れたと思っていたが、吹っ切れた、と話されました。
さて、ミドル世代ならではのカレンシーの交換は、これまでとなにが変わるでしょうか。
2009/11/22
映画 おくりびと
その一方で、もう一つ物足りなさを感じたのも事実。主人公のまわりの人が、いい人過ぎるのかもしれません。出て行った妻は戻ってきてくれるし、友人は許してくれる、上司は個性的だけれども人間味にあふれている。主人公はこの体験を通じて成長しているにもかかわらず、地を這うような苦しみから得られた何かが、描かれていないからかもしれません。
出て行くときに妻が言います。「これまであなたの言うようにしてきました。だから今度は私の言うことを聞いてください」でも主人公は、嫌だと言います。これだけカレンシーを受け取ってきて、何のお返しもしてないじゃないですか。そこが不自然な気がしたのだと思います。そういう意味では、最後に父を赦す。ここにむしろ西欧的なニュアンスを感じ、アカデミー賞受賞は納得できるね、と家では話していました。
そうはいっても、美しい景色と人の優しさ。いつかまた観たくなる映画だと思います。
2009/11/21
安藤百福氏の偉業
今日はその偉業に経緯を示すため、朝からカップヌードルを食してみました。実は夜も。キャリアエンパワメントでは、12月19日に安藤氏の起業家人生を討議したいと思っております。
2009/11/18
2009/11/07
沈まぬ太陽
それはともかく、3時間半、途中休憩つきの映画を、最後まで楽しみました。主人公は会社から理不尽な扱いを受ける。「そんな事実はない」ともめている部分ですが、まあ、会社組織の中にいれば、多かれ少なかれぶつかる壁でしょう。信念を貫けば傷つく。迎合すればラクか、というと必ずしもそうではない、そんな不条理が描かれていて、それはそれでおもしろかった。
もっと興味深かったのは、主人公が2度目のアフリカ勤務を命じられる最後の部分。心配する家族に対して、今度は心から行ってみたいんだ、と言う。この50代の心境の変化、心理的な成長に、ぐっと惹きつけられました。さらに、事故被害者の遺族に対して、「自分の苦しみはあなたの百万分の一にすぎないけれども、一度ぜひアフリカの大地を訪ねてください」と手紙に綴る。この勇気。加害者側にいる主人公が、被害者に対して「あなたはすでに救われているんです」と伝えるのは、相手に対する信頼抜きに考えられないことです。このカレンシーは、相手にどう伝わったでしょうか。
そういう意味で、とても感動しました。
2009/11/01
前を見る
研修はどうだったでしょうか?と尋ねたところ、生き方が変わったのだそうです。どう変わったのですか?と伺うと、これまでどうしても一緒に仕事をするのが嫌な人がいた。10年も我慢してきた。でも、研修で「好きにならなくて良い」と聞き、目から鱗が落ちるようだった。好きにならなくても、協力して目標を目指すのだ、と思うとラクになったのだと。仕事が楽しくなって、力も発揮できるようになったそうです。
私たち、仕事仲間を好きにならなければならない、と考えますね。それで苦しんでいる人は少なくないようです。どうしても好きになれない。そんな自分を責める。気になって仕事に集中できない・・・。真面目な方ほど陥りやすい罠です。ではどうするか。相手の顔を見なければいいんです。その代わりにともに前を向く。そうすれば気にならないはずです。こう考えてみるのはどうでしょうか?
2009/10/22
大臣の発言
さて、このような一方的な発言を、前原氏の性格の問題、と考えることもできるでしょう。でもここは別の見方を。ダム、空港など、多くの人の利害が絡んでいます。関係者はみんな泣いてきた人たち。マイナスのカレンシーをため込んでいます。同時にこれまでの方針のなかで、マイナスを埋め合わせるカレンシーも受け取ってきている。それでようやく帳尻が合おうとしているのに、新大臣がそれをチャラにしようとする。それには大反発です。
これまで積み重ねたカレンシーの交換が複雑で大きなものですから、これに対する大臣としてはまともにぶつかっても変化を埋めないと感じているはず。大臣からすれば、選挙で(全部ではないものの)約束して、民主党が勝利しているわけですから、大臣側も国民とすでに大きなカレンシーの交換をしている。これは退けない。となると、さらに有権者の支持を得て対抗したいでしょう。そのためにも、単純でわかりやすい表現をしようと。相手が動揺して、弱みを見せれば一気に流れを加速できる。これは小泉元首相がとった方法です。
こんなことじゃないかな、と想像しているんですが、個人的には毎晩頭上を飛ばれるようになるのは、まいったな。
2009/10/18
東京モーターショウ
このような低調ぶりは、景気後退によるところが大きいのでしょう。しかし気になるのは、上海のショウにはむしろ規模が拡大しているのだそう。つまりここでも”ジャパンパッシング”が見られるのです。考えてみれば、日本市場自体が縮小しているうえに、もともと輸入車のシェアは数%しかないのです。戦時中から外国メーカーを締め出してきましたからね。対して中国は、いろいろな制限はあるにしても、外国車ばかり。欧州や韓国のメーカーが、「東京」に価値を感じなくったとしても仕方ないかな、と思います。
外からの力を引き寄せないと、結局その市場自体が栄えない、その象徴にならないと良いのですが。ここでもレシプロシティは確実に働いていると思います。
2009/10/14
部下を働かせる
無血開城が46歳。部下たちの恨みを買っているでしょう。静岡へ都落ちです。その上俸給もろくに払えない。ひとつ間違えば、血気盛んな部下たちは江戸を攻撃しようとする。そんなことになれば、徳川家は取りつぶしです。
そこで、勝海舟がとった手段は、久能山(東照宮がある)の警護に部下たちをあたらせる。彼らの徳川家への忠誠心を見抜いてのことです。私が感心したのは、このカレンシーが強力だったこと。半年間いくらかの俸給を払いながら平穏な久能山を守らせる。部下たちは、これで何かしないわけにはいかなくなる。そこで、自ら新しい土地を開墾させてくれと願い出て、それがお茶の産地牧ノ原台地になったのだそうです。
相手にとって、何がカレンシーになるか、よく見抜かねば。そのためにも、相手を理解することが何より大事です。海舟は、人心掌握術を掴んでいた、言い換えれば、カレンシーの的を確実にねらうことができていたんですね。結果を出す、というのはこういうことだとつくづく思いました。
一般的には、自分のいいところを見せようとしたりしてしまう。己を戒めなければと改めて思います。
2009/10/13
新監督
カープはなぜ弱くなったか。私にはわかりません。でも感じることは、選手一人一人が自分のプレーに精一杯で、チームとして闘うまでいっていないこと。強いチームは、巨人しかり、日本ハムしかり、チームとしてプレーしていると感じます。だからプレーが泥臭い。泥臭いプレーに膝を打つ。弱いチームでも選手は一流です。プレーは美しい。しかし美しい分だけ、チームより自分になっているんじゃないか、なんて、知りもしないのに勝手に考えています。
対照的に今年躍進したのは楽天イーグルス。これも見てもいないのに、成長したな、などと思うのは、野村監督の勝つ野球が浸透してきたに違いない、と想像させるから。実は、カープも強かったときは野村の教えを受けたといわれる古葉監督、が、野村に影響を与えた(といわれる)ブレーザーヘッドコーチとともに采配をふるっていました。勝つことをイメージさせ、そのための戦略を浸透させるのは、優れたリーダーの影響力のたまものでしょう。
この差はビジネスにも通じるかな、どうでしょうか?
カープには来年野村ちがいの野村謙二郎が監督として来るといわれています。逆にカープを去ったブラウンが楽天の監督になるとも。両監督には、きれいなプレーよりも、勝利への執着を見せてほしいものです。
来年もカープを応援すると思います。
2009/10/11
LGの躍進
韓国といったらサムスンですが、LGも4兆円近い売り上げを誇る企業。携帯電話では世界第3位。日本の全メーカーの出荷台数を遙かに上回っているんですね。日本では今年からその携帯電話に本腰を入れているようです。たしかに電車でもLG一色の広告を見たような気がします。東京にデザインセンターまで構えているというのは驚きです。
印象的なのは、販売店の優秀成績者を本社に案内し、歓待するという話し。花火まで打ち上げてくれて“苦笑”する参加者が、それでも「もっと売らなくては」と思ったというくだりには、私が苦笑してしまいました。この古典的なインセンティブ、単純なカレンシーは、やはり効くんですね。
ビジネスで考えれば、これほど真剣かつ謙虚に消費者の要求に素直であれば、その見返りもやがて大きくなるに違いありません。
2009/10/10
ノーベル平和賞
一方、今朝の報道を見ると、大統領自身は思わぬ受賞に神妙な面持ちでしたね。「謙虚に受け止める」といった趣旨のことを述べていたと思います。受賞者の弁、という印象ではありませんでした。ノーベル平和賞というカレンシーを受け取ってしまった大統領が、それにふさわしい行動をとらなければ(つまり適切な「カレンシーの交換」をしなければ)、世界の失望を招く。その怖さはご本人がもっとも感じておられるのでしょう。当面、アフガニスタンへの対応で苦しまれるのではないでしょうか。
2009/10/09
企業統合と交換
カレンシーの交換は、相手が動くだけでなく、本来の目的を達するまで続けなければなりません。さらに、またおつきあいが続くのですから、終わりはここ、と簡単に言えないのです。
やはり目標設定は、重要ですね。
(台風一過の青空です)
2009/10/06
自然に生かされて
最後の「プロフェッショナルとは?」との問いに、「生きて、生かされていることを感じて、そこから創造すること」というようなことをおっしゃっていました。自信と謙虚さ、そこからにじむような努力。ここには、レシプロシティにつながる哲学があると思います。
この酪農プロフェッショナルが「農民」といっていたところに、自分はなんと入れるのかが、問われていと感じました。
1ヶ月たって
この間、新政権が始まり世の中賑やかになっている気がします。個人的には、研修の運営であっという間に1ヶ月が過ぎ、また先週からは大学の授業も始まる、といった状況です。おかげさまで、忙しくさせていただいています。
大学のことをお話しすると、過去2年後期は40-50名程度の履修者数でしたが、今年は定員一杯の70名。学生も世間の状況を理解しているのでしょう、1回目の授業から、前向きに取り組んでいる印象です。うれしいのは、キャンパスで出会う学生が「就職決まりましたよ」といってくれることです。私の授業が彼らの背中を押しているとしたら、少しは役立てているといっていいでしょう?また、学生による私の評価は、前年を上回る好成績?でしたが、これがなぜかはまだ不明です。
(今日は台風が来ており、この夕日は一昨日のものです。秋でしょう?)
2009/09/01
新しい体制
選挙は大方の予想通り民主党の圧勝となりました。このような大差のつく小選挙区制を導入したのは、自民党だったはず(正確には細川政権当時のこと。自民党は小選挙区に熱心だったと記憶しています。憲法改正がねらいだったんじゃなかったかな)。まさかこうなるとは思わなかったでしょう。諸行は無常なり、なんですね。
民主党は国家戦略局をつくり、各省庁に国会議員を100名以上送り込む、という大胆な行動に出そうです。やはり政権が交代したからには、行政に変わっていただかなければ意味がない、というわけでしょう。個人的には、今まで力があるのに芽が出なかった役人とか、ゴマすりが苦手で主流から外され干されてきた官僚たちが、活き活きして力を発揮することを期待しています。私は敗者復活話が好きですから。
とはいえ、これは大変なチャレンジです。最後は行政が仕事するのです。彼らを敵にまわしてしまえば、ほしい結果は得られなくなるでしょう。買収した会社の経営がうまくいかないこと、しばしばありますね。そういう親会社から派遣された経営者は、「こちらが上だ、言うことを聞け」という態度で乗り込むものです。そうすると、従業員が敵になってしまう。まずプライドの高い優秀な人が辞めてしまったりして、期待される組織のポテンシャルが下がる。同じようなことにならないといいですね。
議員のみなさんには、ぜひ影響力を発揮して、官僚をうならせ、味方につけて、効率よく政権運営してほしいものです。役所のポテンシャルを更に引き出せれば、本当の変化が起こせるでしょう。そのためには、みなさんの身を切るような努力が必要なのだと思います。
一方、3党連立も努力のしどころです。相手に無理難題を押しつけたいでしょうが、そこはいったん納めるのが大人の対応だと思います。相手に妥協させられたと感じさせれば、連立は4年続かないんじゃないかなあ。
これは、企業の買収や提携からの類推で考えられますね。
2009/08/14
電気自動車
ベースとなっているのはiという軽自動車。しかしその乗り味は全く異なるもの。驚いたのは高級なタッチです。動力のエンジンので、振動はほとんどなし。ステアリングホイールにもエンジンの変位を感じることなし(オリジナルのiも後輪駆動ですからエンジンの振動は手に伝わらないですが)。
そしてなにより加速感のよさ。タイムラグがなく、自動車というよりもゲームセンターのマシンのようです。また音が静かなのでスピード感が少ないのです。
これでフル充電なら100キロ走るでしょう。
これだけの製品を市場に出した三菱自動車には、敬意を表します。製品としてのまとまり感は、組織的な努力の賜物でしょう。リコール問題で苦労した皆さんが、危機感からシナジーを産み出したと言えるのかもしれません。
ぜひ他社にも早く電気自動車を!と申したいです。
2009/08/02
レポート
どんなレポートを書いたのか、共有できると、なおいいのですが、インタビュワーと先輩の間には守秘義務があります。レポート以上の目的には使えません。ここを調整して、大学には冊子にしていただけるよう、お願いしました。
先輩から受けてきた影響を、あらためて感じる良い機会です。みな良いレポートでしたが、なかでも良いものは、インタビューを通じて学んだことが明らかになっているものです。自分が受けてきた影響を理解していることは、インパクトがあると思いました。
これは職場でも言えるのではないでしょうか。上司や同僚、部下から受けている影響を認識している人ほど、影響力が高い気がします。一例を言えば、上司からどんな指導を受けたかを克明に思い出せる方は、部下指導も上手です。
この休暇期間に、これまで指導を受けてきた方たちのことを思い返すのはどうでしょうか。
2009/07/26
花火大会
考えてみれば、このような大きなイベントに影響力は欠かせません。自治体だけでなく、イベント屋さん、花火師(浦安は鍵屋)、地元自治会、観客など、すべての協力があってなり立つもの。関係者の努力なくして、成立しません。
みなさん、ご苦労様でした。
デジカメでベランダから撮った画は、横向きなので、ちょっと奇妙ですね。
2009/07/22
総理の謝罪
そんななか、自民党総裁の「両院議員懇談会」での謝罪に注目しました。ここで結束しなければ、選挙の勝利はない、分裂にいたる、というところでしょう。支持率低下、地方選での連敗などに対して、総裁がどう思っているか、自民党員は知りたいはず。リーダーに私利私欲がある、と感じられたら、分裂避けられないでしょう。
結論から言えば、総裁の「誠意」は、議員の先生方に伝わったようです。共に闘う、えいえいおーの雰囲気ができていました。受け取る側(諸先生)も分裂を避けるために必死ですから、何人かは絶叫していましたね。気合いでまとめる、ということでしょう。
リーダーの謝罪は、ときとして大きなカレンシーになると思います。流れを変える。でも、なかなかできないんですよね。勇気がいります。上に立つほど難しい。自分の弱さを見せたくない。そのとき自分の理由で動いていることになる。
でも、必要なときがある。今回は必要なときだったといえるでしょう。
私の印象は、本気で謝罪したわけではないし、彼の本音は「私はこんなに一生懸命やっているのに・・・」というところでしょう。互いの不信感は残っていると感じました。握手したもの同士、互いの目を見ていませんでしたからね。
それに比べると、民主党代表の方が、スキャンダルに直面しているにもかかわらず余裕を感じました。
2009/07/12
同窓会
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2005年に慶応義塾大学のビジネススクール(KBS)でケースメソッド教授法を教わりました。高木晴夫先生と、竹内伸一先生による、MBA、Ph.Dコースの授業が公開されていたのです。昨日は、6回目の同窓会でした。
ケースメソッド教育は、ビジネススクール、ロースクールではごく一般的な教授法です。参加者は事例がかかれた文書を読み込み、設問に答え、自分が当事者であったらどう判断するか、多角的に検討します。この繰り返しを経て、経営者としての判断力を養うのがケースメソッドの狙いです。私の専攻であるカウンセリングや心理療法でもケースカンファレンスが行われており、実は共通点があります。
久しぶりにお会いした皆さんは、両先生を始めお元気でご活躍でした。印象的だったのは、以前は一方的に話しまくるかたがいたのですが、人の話をよく聞くようになられたこと。・・・・
・・・たった今電話いただいて話し込んでしまったのですが、人の話を聞くとそれが楽しいのだそうです。ああ、こんな考えもあるんだな、面白いなと。
こうして影響を受けることが、人に対する影響力を高めます。仕事が楽しくなったというのは、実に理にかなっていると思いました。
加えてこの方、とても若々しくなってしまったのです!!
(今回の会場だった、KBSのエグゼクティブ用のでディスカッションルーム。ここで討議できたたは!)
Naruhide
from mobile
2009/07/09
お世話になったお店
私の授業の前の時間を担当している若い社会学者の先生が、私と同窓で、「マダム・シルク!知ってますよ」と、ふたりで盛り上がりました。学生が入れ替わりする休み時間の演壇の上で。それで、ああ、いってみたいな、と、この1週間で結局2回うかがいました。
学生時代のことを思い出すと、いかにおもしろい話をして大人に飲ませてもらえるか、がひとつのチャレンジでしたね。学生はこう考えている、自分はこう思う、といった話で、半日過ごす。それで、ほとんど支払わずにお酒が飲める、なんてカレンシーの交換は、学生だったからこそ。
考えてみると、もうちょっと頻繁に通って、今度は若者の話を楽しませてもらって、恩返ししなければいけないよな。
というわけで、また近くうかがうことにしました。
やっぱり、頭の中がデフラグできる、理屈抜きでめちゃくちゃいい店です。
2009/07/06
うれしい知らせ
うれしかったのは、この学生が、就職活動を通じて社会人への尊敬が増した、多くの人の支えを感じられた、と述べている点です。特に、人の支えを感じられたから、少しでもまわりの人の役に立ちたい、と書かれていて、涙が出るほどうれしかった。
私たち、学んできた知識も、食物を食べて成り立たせているこの体も、外から入ってきたものでできているのですから、公共物といっていい。公共物を占有することなく、みんなで使うのは、正しい思考です。
自分自身こそ最大のカレンシーです。自分を生かせるかどうかは、これから人々との間の信頼関係を築けるかどうかです。人が安心して使ってくれなければなりませんから。
この学生も、良い社会人となるでしょう。
2009/07/05
安息日
ユダヤ教徒のみなさんには、安息日があると聞いています。聞いています、というのは、彼らが本当に忠実に安息日を送っているところを見たことがないので・・・私の知るユダヤ教徒のおふたりも、日曜日にメールが返ってきます。
それはともかく今日は休ませてもらうことにしました。まず、早朝成田山の護摩修行にお参りし、そのあとはひたすら脱力。TSUTAYAでコメディを借りてきて2本観ました。そのうちのひとつは、"Analyze this"。マフィアの親分が抑鬱症で意思決定ができなくなり、精神分析医にかかるというもの。10年ぐらい前の作品でしょう。以前観た記憶があります。全編笑えますが、イタリア人たちのなかで、分析医だけがユダヤ人だというのが、ステレオタイプですね。(私もニューヨークでユダヤ人の著名なセラピストの方にカウンセリングを教わったことがあります)
この最後のシーンが印象的。投獄されている親分から、そのお返しに至れり尽くせりのサービスがある。たとえば、バンドが家に来ている。生のバンドで新婚の精神分析医夫婦は踊るのです。バンドリーダーのひとこと「彼から何でもやってくれと頼まれていますから」。
いやー、これは大きなカレンシー。受け取れば、マフィアファミリーとの絆を深めることになる。断れば「俺の酒が飲めないのか」状態。どちらもリスクを伴います。
どうしたものか・・・。悩ましいですね。
しかし、ここは腹をくくるしかないでしょう。どちらにせよ、血を流さずに解決できることなどないんです。受けてももちろん、仮に断ったとしてもカレンシーが交換されるというわけです。人生にはそういう時期があるんだと、年々痛感します。
結局日本人の私に安息日はなかった、というわけです。
(写真は成田山参道、正門前でみつけた、インド料理店の看板(緑色部分)。インド人はこんなにしたたか。)
2009/06/25
職業選択の本筋
このご時世で「すべて受かる」のは、たいした若者。授業中からわかります。反応が違いますから。それはともかく、実は本当にやりたい仕事があるのだそう。だったら、そこにまっしぐらになるような職業選択が望ましい、というのが私のアドバイスでした。
調子づいて、義理を欠くとやがて信頼を失う。若いからと甘えていると、いつまでもそれなりの扱いしか受けない。つまり、つまらないカレンシーをもらってしまうだけ。
彼女には、まっすぐ誠実に突き進んでほしいと思いました。それにはリスクが伴いますが、リスクのない人生なんかあり得ないんですから。きっと大丈夫!
2009/06/21
紀伊國屋書店でライブトーク
トーク自体は、いい感じで進んだんですが、最後の最後で予定にないことを言おうとして、とちりました。どうかお許しを。
勝間和代さんらそうそうたるベストセラー作家の写真と並べていただいたり、ちょっとうれしい思いもさせていただきました。
萩原店長はじめ、みなさんありがとうございました!貴店のますますのご発展を祈ります!
2009/06/19
三方原の馬鈴薯
それから21年。こうして欠かすことなく季節の楽しみを贈ってくださり、私は白隠正宗を送っています。
この季節になると、青春時代の日々を思い出せる。今日はそういう日でした。
そうだ、今度友人夫妻が遊びに来るとき、これでサブジをつくろう!
Naruhide
from mobile
2009/05/24
前大統領の死
これは興味深いです。要職に就いていれば、多くのことは好きなようにできる。といっても限度はあるでしょうが、少なくとも人が集まってくるし、支持してくれれば、何かお返ししなければならないのは、レシプロシティの働きそのものです。激しいカレンシーの交換が起こるのは間違いありません。でも、それが突然途絶えたら・・・。
まず起こるのは、人が退きますよね。誰もいなくなってしまう。よくきくのは定年退職したとたん、年賀状が来ないとか。与党が野党に転落したとたん、ばらばらになったり。何も受け取れないと思うと、何も渡さないということになるんでしょうね。
もうひとつは、これまで交換できなかった、利権を得られなかった人たちが、仕返しすること。カレンシーの交換のチャンスすら与えられなかったのは、それ自体がマイナスのカレンシーになりますよ。マイナスを蓄積すれば、そのエネルギーは爆発しても不思議ないです。
今回の事件は、そのような背景があると感じます。私は人が権力に縛られる理由のひとつではないかと思いますが、どうでしょうか。
2009/05/22
「続・影響力の法則」本日発売されました!
2009/05/04
よい知らせ
本人はとても力があり、学内外で実績のある女性ですから、本当は大丈夫だと思っていました。それでも何があるかわからない今日。心配していました。こちらの持っているものが、相手に伝わるかどうか。自分としてはベストを尽くすしかないです。決めるのは相手(会社)ですから。彼女に内定を出した企業は正しい、見る目があったと言うべきでしょう。
この就職のチャンスを大事に、そしてあと1年の学生生活を有意義に過ごしてほしいものです。
2009/04/25
前言撤回
人間として最低、などという品のない言い方には、違和感を感じた人も多いでしょう。ご本人もそう感じたでしょうが、そういいたかった気持ちもわからないではありません。
相手に対する期待が大きければ大きいほど、裏切られた、と感じたときの反動は大きいもの。「はらわたが煮えくり返る」といったのも、正直だなと思います。マイナスのカレンシーを受け取りました、ということです。たとえば、期待していた教え子が意にそぐわないことをしたとき、破門する教師。期待を裏切った部下を遠くに”飛ばす”上司など。けんか別れや、はたまた殺人につながる「裏切り」もマイナスのカレンシーの結果、と考えると、カレンシーのインパクトがおわかりいただけると思います。
それにしても裸で騒ぐぐらい、たいしたことじゃないと思うんだけど・・・。期待していた人には大きかったんでしょうね
2009/04/23
いいひとの過ち
私はこの記事見て、泣けてしまいました。1991年デビューって書いてあったから。ということは16歳から国民的スターをずっとやっているんでしょう?またメンバーの中でも、優男のイメージで売っていたので、その負担は大きかったはずです。うちの近所で撮影やっているの見ましたけど、テレビ通りのかたですね。
ストレスためてるし、何かをきっかけとするアイデンティティの揺らぎも大きそう。よく堪えてきたよな。
クスリをやってないのだから、大したことではないでしょう。私は周囲の方には寛容を求めたいです。
ご本人には、早く復帰して、一皮むけて欲しいですね。
2009/04/22
「続・影響力の法則」
5月の初めに、「続・影響力の法則」が刊行されます。また多くの方のお役に立てると期待しています。
2009/04/16
この季節、思い出すこと
最近、ある方のことを思い出しました。私がアメリカ系企業で人事教育を担当していたときのこと。郊外の研修施設で3日ぐらいの集合研修を実施しました。この研修はすべての事業部の新入社員が集まるのですが、毎年ある事業部のトップが、ゲストスピーカーで呼ばれていました。その方のお話は、人事部門だけでなく若い新入社員にも人気がありました。
いろいろな話をしてくれました。ハワイにバカンスに行ってもケータイは鳴る、とか「多忙で休めない話」やら、ご自身の事業への思いなど。なかでも印象的なのは、初任給が入ったら両親にプレゼントせよ、という話です。これだけ聞くと、なーんだ、と思うのですが、彼の話は何か心を打つものがありました。おそらくその席にいた若者たちのすべてがプレゼントしたでしょう。
この親へのプレゼントには、どんな意味があるのか。私はこう考えました。デパートにプレゼントを買いに行くと、何を買おうかと思う。次いで、お母さんは、お父さんは、何を喜んでくれるだろう、と考える。でもすぐには思いつかない。どうしたって、両親との関係を考える。うるさい親だけど、お世話になった。ここまで育ててくれて、おかげで社会人になれた、と。きっといろいろな犠牲を払ってくれたんだと。こうして受けてきた愛情や恩を、社会に返していこう。必死でがんばって、恩を返すんだ、と。
私、この恩返しのエネルギーは、モチベーション以上の力を持つのではないか、とかねがね思っています。お気づきのように、これはレシプロシティのなせるわざ。自分が相手から受け取っていると感じると、返したくなる。たくさん受け取ってきたと気づいたら、がんばって返さなければならなくなる。エネルギーを注げばおもしろくなる。お客さんの喜ぶ顔が、人生になる。事業部長が言いたかったことは、こんなところにあるのではないでしょうか。
小林さんという事業部長のお話を最後に聞いたのは、もう8年も前のことです。でもずっと心に刻まれている。今度、若者たちに話そうと思っています。みんなどんな顔をしてきくだろうか。
2009/04/14
「天地人」の印象
私はカレンシー交換の事例を学べる、いいドラマだと思います。たとえば先週は上杉景勝が武田勝頼に金を差し出すことで、長年の宿敵と同盟を結び、窮地を脱しました。今週は上杉陰景虎の子息が殺され、それを景勝側の仕業と思い込んだ景虎が、景勝勢に一戦を挑みます。いずれもレシプロシティの力を強く感じます。本人は攻めたくない、でも「返そう」とする集団の力は、人の意志を凌駕することがある。だから、本物の「義」が必要だ、というお話と理解しています。この義を「愛」と読み直し説くのが、主人公直江兼継です。
こんないいお話なのに、何か物足りないのは、兼継が最初から立派な若者だということでしょう。どこから、このようなプラスの連鎖が始まったのか・・・・。幼少の頃、行き場のない兼継を景勝が迎えにきてくれたことか?母の愛か。カレンシーの交換のスタートは、小さなやりとりかもしれませんが、その積み重ねで大きなエネルギーとなるものです。ところが、これでは生まれたときからすばらしい人、のようになってますね。そこが残念かな。
いずれにしても、「義」「愛」を描く意欲作。もちろん毎回の放送分は、各回が「カレンシーの交換」の好事例集。ケーススタディにぴったりです。主人公役の妻夫木聡もこれから半年でどれぐらい成長するか、楽しみにしています。
2009/04/12
イースター
とても印象的だったのは、ある聖歌の一説です。趣旨は「天国の門が開かれ、罰の連鎖が解かれる」。復活祭の意味をいっているのでしょうか。今もパレスチナの地は紛争が絶えません。年末年始にガザ地区で大きな犠牲をはらったのは記憶に新しいところ。もちろん当時から「ユダヤ対イスラム」という対立があったわけではないものの、厳しい戒律はときに摩擦を生じます。そのような環境で、互いに相手を責める(攻める)罰の連鎖を解くことに、イエス・キリストの誕生と復活の意味があったのか・・・。正しいかどうかはご指摘いただくとして、私は勝手に納得したのでした。
さて、絶えぬ紛争は「ネガティブなカレンシーの交換」として説明できます。「やられたから、やり返す」すなわち「罰の連鎖」です。ほしくもないものをもらうと、どうしてもやり返したくなるもの。上司から批判ばかりされていれば、あるいは無視され続ければ、部下は力を発揮しない、という「ネガティブ・カレンシー」で返します。プロジェクトリーダーが、関係者に情報開示しなければ、関係者もこのリーダーと積極的に関わらない、という形で「ネガティブ・カレンシー」を返すでしょう。まあ「罰の連鎖」とは大げさに聞こえるものの現実はそうです。また当事者たちが気づかぬままに、この連鎖は進行してしまう。昨日もあるマネジャーが、部下にやったことが、自分に返ってきていたとは気づかなかった、もっと意識したい、といっていました。知らない間に進むのが「カレンシーの交換」です。なにも紛争地域でなくても、職場でも家庭でも起こっているものです(職場や家庭が紛争地域というところも珍しくないですけど)。
そのような連鎖を「愛」でたつのがキリスト教の本質なんだろうな。あなたは愛されている。だから隣人を愛しなさい。それはリスクを伴う。だからあなたに勇気をあたえよう。信仰がなくても、この取り組みから学ぶところ大でしょう。
クリスチャンのみなさん、復活祭おめでとうございます。(勝手な思いつきで書いてしまったので、不愉快であればすみません。)
2009/04/09
邦楽の時間
さて、昨日は学生時代からの友人、井上正広君の細君、美和さんも出演する「桐韻会」の定期演奏会を楽しみました。邦楽に馴染みがあるわけではなく、聴いてもその良さがよくわからない私ですが、昨夜は感動しました。こんなにすばらしいハーモニーが、箏、十七弦から奏でられるのか・・・。すっかり魅入ってしまったのです。
私の関心は、例によってこのハーモニー、シナジーの生まれ方。リーダー格の方が曲を引っ張っているようではあります。それでも互いに耳を澄ませながら、他の演奏者との境界を越えていくような感じ。各自が自分の足で立っていなければいけない、でもひとりでは曲にならない。そこがおもしろい。もちろんこれはラテンも同じですが、弦には弦の世界があるなあ、邦楽の世界はなにか日本人に訴えるものがあるなあ、と感服しました。そしてなにより美しい音色に感動したのでした。邦楽に触れる機会がないのは、惜しいですよ。
もうひとつ、音楽とは関係ないことで。
演奏会のあとに井上君が話しをしていた男性数名は演奏家の夫たちではないかと、勝手に想像しました。妻が演奏するのを支える夫たちのコミュニティがあるとしたら、これもおもしろい。
夫婦はどのように影響を及ぼし合ったのでしょうか!興味はあったものの、真実を知るのは恐いと感じ、昨夜は訊きませんでしたが・・・(井上君はジャーナリストとして大活躍している人です)
すばらしい演奏会を、美和さん、ありがとう!
2009/04/07
2009/04/05
今年であった新入社員
ある新入社員研修を担当しました。50名あまり。男女半々。10000倍ぐらいの競争を勝ち抜いてきた人たち、とうかがっています。みんな優秀な人たちだと思いました。課題、問いかけに対するレスポンスが早い!これはちょっと前の新入社員とは違う、トレーニングされている、と感じさせます。
一方で、違和感を感じたのも事実。万遍なく何でもできが良い、というのはかわいくない。頭がよくて、かわいくて、人当たりも良い、そのうえコミュニケーション能力もあるなどという若者は、以前は少なかったのではないか。このできのよさは何なんだ!トレーニングされている、というより、むしろブリーディングされている(この場合、仕込まれている、改良されているというイミ)印象なのです。つまり、家庭教師がつき、ピアノを習い、進学塾に通い、子供の頃からバレエかサッカースクールで過ごす。そして、インターナショナルスクールで英語づけ。その成果が出ました、というような。ブリーダーに育てられたきれいなお犬様のような・・・。
うーむ、これは、貧富の差がいよいよ拡大している証かもしれません。一方で粗野な青少年の問題について毎日のように聞かされています。
できのよい若者が世相の反映と考えると、複雑な気持ちであります。
2009/03/26
WBCチーム
イチロー選手によれば「リーダーはいなかった。いらなかった」そうです。それだけ、全員が目標に向かって結集していたのでしょう。もちろん、彼の謙遜もあるかと思います。
一方、原監督は「自分は何もしなくても、選手がやってくれた」といった話をしていました。これも謙遜でしょう。彼が選手を信頼して任せたこと、「侍ジャパン」のプライドを刺激したことが、大きなカレンシーとなったと思います。
いずれにしても、よいニュースでしたね。
2009/03/23
人も羨む仕事?
彼らの仕事も、基本的にはプロジェクトです。その都度、自分よりも経験の少ない同僚とチームを組んで、お客先へ乗り込みます。このあたりはIT系のプロマネのみなさんと共通です。違いは、クライエントから「先生」と呼ばれることぐらいでしょう・・・・
ただし、彼らもラクではありません。チームメンバーは、頻繁に入れ替わります。また、メンバーも先生ですから、おそらく「いつでも辞めてやる」態勢でしょう。扱いにくいに違いありません。多くのみなさんが苦労していました。メンバーが働かない苦労では、IT業界と同じか、ちょっと大変かも。こういう現場にこそ、影響力の法則は必要なのです。
今回お会いした先生方の中で力を発揮している人は、ひとことで言えば、覚悟できている、という印象でした。よい職業ほど、その専門性に固執したくなります。たとえば、20世紀アメリカ文学の研究者なら、ずっとそれをやっていたい。プロ野球のスターなら、引退したくない。しかし、現実世界はそれを許しません。経験を積んだ者は、組織のリーダー、若手の教育者の役割を期待されることが多いものです。「学部長に」「コーチに」と求められます。そのときに、専門家としての役割に見切りをつけて、リーダー、育成者としての役割を受け入れるかどうか。これはなかなか難しいチャレンジですが、結果的に仕事の成果をあげていくうえでは、逃げられない現実なのではないでしょうか。
この現実と向き合うことが、影響力の前提になるように思います。
2009/03/17
固い決意
彼女にとっては大きな変化のときです。就職活動、卒業、就職と相次ぎます。この時期に何を学んだのでしょうか。いわく、「固い決意」があれば難しいこともなんとかなる、だそうです。なるほど、早い時期から銀行で営業活動をしていきたいと言っていました。厳しい仕事だと思います。でもそのリスクを恐れぬ態度は、銀行の幹部さえも動かしたのでしょう。また、卒業研究に集中して望み、先生の指導を仰ぎ、すぐれた論文を書くにも、固い決意があってこそでしょう。影響力の土台のひとつには、この「固い決意」が欠かせないと思います。
また学生から学ばせていただきました。
2009/02/27
中途採用のマネジャー
このかたの立場を考えてみましょう。部下が動かなければ、ビジネスの目標を達成できません。ところが、部下は派閥抗争に明け暮れている。ビジネスの現場の情報も部下から入ってきます。会社を辞めてきているので、キャリアの危機です。早く結果を出さなければ!そのためにも、部下から認められない状況を早く脱しなければなりません。
部下はどうみているでしょうか。自分の派閥の勝利にもっとも関心があるかもしれません。競合会社に対する自分たちの優位を証明するために、上司を無能にしたいかもしれません。少なくとも、上司の本気度合いは知りたいでしょう。
そういう意味で、この方が最初の3ヶ月エネルギッシュに振る舞ったのはよかったのではないでしょうか。結果的には、数ヶ月で人心を掌握されたそうです。新しいキャリアをそんな厳しい状況から始めなければならない人は、転職市場が拡大するにつれて増えていくでしょう。
2009/02/21
ゴッドファーザー
この中で印象的だったのは、”貸し借り”の話しが多いことです。「そろそろ貸しを返してもらおうか」といわれたら断れないですよね。恐いなあ。これをビジネスの世界でやってしまっては、マイナスのカレンシーになるのが関の山でしょう。しかし、あらためてレシプロシティの力を感じた次第。とくにマフィアのような内向きの組織では、借りを返さないというのは決定的に問題でしょう(どんどん殺されてしまいます・・・)。会社も、とくに立派な組織をもった会社ほどにているのではないかな。
約束は守りましょう。
2009/02/12
エンジニアの毎日
今週お目にかかった何人かのみなさんは、お客を中心にした生活で、24時間体制で働いていました。なかでもカスタマーエンジニア(主として購入後のサポートをしている)の方たちは、実直でまじめ、製品に対する思い入れも人一倍で、愛すべき人たちと感じました。この製品に対するコミットメントが、日本の物作りを背面から支えているといえるのではないでしょうか?彼らの仕事ぶりが、顧客に対する影響力を高めていることは間違いありません。
しかしながら、大きな犠牲を払っている彼らを、ともすると軽く扱う現代の風潮は、後に大きなしっぺ返しにつながるのではと危惧したのでした。
2009/02/03
デパート
こういうときこそ、顧客にバリューを届けてほしいと思います。家族が小さくなっているし、人間関係に飢えている人は多いでしょう。百貨店が新しい出会いの場所になれないものでしょうか。まあ、こんなカレンシーが役立つのかわかりませんが、テーマによっては私も参加してみるかもしれません。
とはいえ、私の買い物額では、百貨店が顧客とは認めてくれないでしょうが。
2009/02/02
国務長官の来日
そうかもしれないし、やはり対中外交中心かもしれない。それはともかく、こちらを尊重してくれるというのは、ある意味で重荷になるでしょう。「尊重します」という姿勢こそ、大きなカレンシーになるからです。何となく借りができて返さなければならなくなる。真っ向勝負で、相手の懐に飛び込む人の強みがここにあると思います。オバマ大統領がそうじゃない?
さて、こうして歩みよってくるということは、それなりに返さなければならない。アフガンか普天間か、経済政策への同調も求められるんでしょうね。
2009/02/01
ラムしゃぶ
2009/01/31
2009/01/27
コスト削減プロジェクト
まず、協力を求めたい相手の立場に立ってみましょう。開発部門のマネジャーたちは、優れた技術を投入してすぐれた設計をしたいはずです。開発部門のトップは「技術革新を進めよ」「他社に先んじろ」と言っているいるはずです。部下たちは「やりがいのある仕事じゃないと、モチベーションが上がらない」などといっています。自分の専門に誇りを感じ、活かしたいはず。同時に技術革新に取り残される不安も感じているかもしれません。このような人から、予算を削減しろというのは、技術者としてのアイデンティティの危機ではないかと思います。私が開発部門の立場にいれば、抵抗します。
ではこのようなマネジャーは、何にありがたみを感じるでしょう。私なら、まずは、自分の専門を認めてほしいかな。機械なら機械、半導体なら半導体など、技術者は専門をそれぞれもっています。その専門により所があるでしょう?それからチャレンジできる環境も。大学よりもおもしろいと思って就職したのに、同級生の方が教授になって好きな研究をしている、などというのが一番がっくりくると思います。好きな分野でチャレンジ。誰もやったことのない仕事ができるのはありがたいですね。部下からの尊敬も大事。自分の技術を次世代に繋げられたら幸せ、かな。
そのうえで、コスト削減を進めるには、どのようなカレンシーの交換ができるでしょうか。わたしなら少なくとも、現場で何にプライドを感じているか、よく聴きたいですね。どんな仕事したいかも。この場合、聴くだけで大きなカレンシーになるかもしれません。
2009/01/22
今週悟ったこと
ここでの私の心理は簡単。この1年ずいぶんがんばってきた、それに比して報酬が少ない、もっと報われていい、これぐらいの買い物自由にできて当然だ・・・いや、これは理屈ではありません。衝動的なのです。こうなると、ストレスにさらされている会社幹部などが、BMWを買ってしまうのもわかる気がしました。首都高速を走っていると、なんとBMWやらMercedezやらが多いことか。これは「がんばっているオレ」に対する報酬かもしれませんね。Louis VuittonとかGucciもそうかな。
カレンシーの交換は、自分で穴埋めしてしまう、という形でも成立しているようです。景気後退で消費が停滞しても、やがてどこかで穴埋めが始まることでしょう。楽観的。
2009/01/17
2009/01/15
ジョブズ氏の病気療養
個人的にはAppleのファンなので、会社としてはイノべーションで発展してほしいところ。
ただいま翻訳中の「続 影響力の法則」では、アップルの社員のケースがでてきますよ。
2009/01/13
離党する元大臣
ちょっと違和感を感じるのは、まだ4ヶ月ぐらいなのに、もう麻生さんではダメだと断言していること。それで党内での改革を進めるのではなく、離党してしまうところです。氏の記者会見の様子はニュースで見ました。決意に満ちて、というよりもやむにやまれぬという印象を受けたのは、私だけではないでしょう。
ここは、レシプロシティで考えてみましょう。まず、彼の努力が無になったのだとすれば、これは大きなマイナスカレンシーです。そのお返しをするのは、理性を超えて自然なことと言えましょう。でも、もっと何かあったんじゃないのかな。これまでの積年の恨みみたいなものが。渡辺氏はお父上も立派な方だったような、すごい栃木弁の記憶のほうが大きいけれど、総裁にはなれなかった。父上が亡くなって、どれほどこの仕事を引き受けたかったか分かりませんが、おそらく担ぎ上げられてしまった。それで時間を掛けて覚悟を決めてきて、いよいよ大仕事をした。霞ヶ関から(たぶん)圧力を受けながらも、大なたを振るったわけです。ひょっとしたら、かなりのリスクもあったでしょう。ところが、現総理ときたら、彼の努力をいっぺんに帳消しにしてしまった。
以上はすべて推論です。でも、こういう力が働いていたとしたら、あのような辞め方も理解できます。理屈を超えた意思決定には、レシプロシティが無視できないと読んでおります。
成人の日
さて、「爆問学問」という番組も、成人の日スペシャルでした。立花隆、糸井重里ら60代と20代の元モーニング娘。がゲストでした。大人になったと感じたのはいつ?という質問にたいして、立花氏は「子供がうまれたときじゃないか」と。たいして糸井氏が「会社で人を雇ったとき」といっていましたね。人を雇うというのは大きな責任が伴うもの。との重みを感じたとき、大人になった、と思ったとのことです。ああ、そうだよな、と同意。
プロジェクトで仕事をしていても、人の生活を左右しているわけではない。それゆえに、自分のやりたいことだけやっていればいい、仕事していればいいんでしょ、というところがあります。ここが雇用している場合と違う。このゆるさが、なんとなくリーダーに対する信頼を高めない。リーダーであれば、強い責任感を抱いていることが影響力を高めます。とくにプロジェクトの場合は意識しておかなければならないでしょう。
もっとも、雇用していてもその責任を感じない人がいるのは残念です。
2009/01/06
若い世代に
今年は、のこり半分となった40代の指針を書き直し、その中に、「若者を尊重する」を加えました。若い世代は次の時代を担っていきます。彼らが感じていることを、正しい方向に表現できれば、新しい時代が切りひらかれていくでしょう。また、私自身が若い世代から学ばせていただける。これは、私の年代になったから、また教員をやるようになったから感じることだと思います。ありがたい巡り合わせというほかありません。
では、具体的にどうするか。まずは、彼らの話を聴こうと思います。心からね。
2009/01/03
年頭の誓い
このなかに教会があるのは、珍しいでしょう。教会で元旦というと、キリスト生誕8日目、イエスと命名された日だそうです。また、カトリック教会では「聖母マリアの日」であり、同時に「平和の日」でもあります。元旦、世界のカトリック信者が世界の平和を祈ります。ローマ法王ベネディクト16世からは、貧困の解消への努力にむけたメッセージが送られました。
私たちが訪れた教会では、司祭が、イエス・キリストが当時のイスラエルの紛争を鎮めるために神から遣わされた、と説明されていました。なるほど、現実には穏やかで居続けることは難しかったものの、本来キリスト教は平和の宗教でありますね。このお話しを聞いて妻は、キリストはネガティブなカレンシーの交換の流れを変える使命をおっていたのだ、と気づきました。確かに!紛争はネガティブカレンシーの交換の典型です。その流れを変えるためには、無条件でポジティブなカレンシーを出さなければならない、それがキリストの役割だったのでしょう。そして、そのメッセージをひとことで言えば、愛ですね。
否定的な流れを変えることこそ、リーダーの役割といえます。オバマ次期大統領に期待が集まっているのも、ネガティブカレンシーの交換を、ポジティブに変えようというメッセージだったから、と考えるとしっくり来ます。
イスラエルとパレスチナの紛争が鎮まること、経済の混乱に伴ってまた新たな紛争が起こらないことを願わずにはいられません。