2009/04/14

「天地人」の印象

 大河ドラマをみていると、もう第一四半期がとっくに終わってたんだ、とあらためて感じます。「天地人」、みている方はどう感じているでしょうか。

 私はカレンシー交換の事例を学べる、いいドラマだと思います。たとえば先週は上杉景勝が武田勝頼に金を差し出すことで、長年の宿敵と同盟を結び、窮地を脱しました。今週は上杉陰景虎の子息が殺され、それを景勝側の仕業と思い込んだ景虎が、景勝勢に一戦を挑みます。いずれもレシプロシティの力を強く感じます。本人は攻めたくない、でも「返そう」とする集団の力は、人の意志を凌駕することがある。だから、本物の「義」が必要だ、というお話と理解しています。この義を「愛」と読み直し説くのが、主人公直江兼継です。

 こんないいお話なのに、何か物足りないのは、兼継が最初から立派な若者だということでしょう。どこから、このようなプラスの連鎖が始まったのか・・・・。幼少の頃、行き場のない兼継を景勝が迎えにきてくれたことか?母の愛か。カレンシーの交換のスタートは、小さなやりとりかもしれませんが、その積み重ねで大きなエネルギーとなるものです。ところが、これでは生まれたときからすばらしい人、のようになってますね。そこが残念かな。

 いずれにしても、「義」「愛」を描く意欲作。もちろん毎回の放送分は、各回が「カレンシーの交換」の好事例集。ケーススタディにぴったりです。主人公役の妻夫木聡もこれから半年でどれぐらい成長するか、楽しみにしています。

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