2009/10/14

部下を働かせる

 NHKの新しい歴史番組を見る機会はほとんどありませんでしたが、今日は勝海舟の第二の人生、見ました。

 無血開城が46歳。部下たちの恨みを買っているでしょう。静岡へ都落ちです。その上俸給もろくに払えない。ひとつ間違えば、血気盛んな部下たちは江戸を攻撃しようとする。そんなことになれば、徳川家は取りつぶしです。

 そこで、勝海舟がとった手段は、久能山(東照宮がある)の警護に部下たちをあたらせる。彼らの徳川家への忠誠心を見抜いてのことです。私が感心したのは、このカレンシーが強力だったこと。半年間いくらかの俸給を払いながら平穏な久能山を守らせる。部下たちは、これで何かしないわけにはいかなくなる。そこで、自ら新しい土地を開墾させてくれと願い出て、それがお茶の産地牧ノ原台地になったのだそうです。

 相手にとって、何がカレンシーになるか、よく見抜かねば。そのためにも、相手を理解することが何より大事です。海舟は、人心掌握術を掴んでいた、言い換えれば、カレンシーの的を確実にねらうことができていたんですね。結果を出す、というのはこういうことだとつくづく思いました。

 一般的には、自分のいいところを見せようとしたりしてしまう。己を戒めなければと改めて思います。

2009/10/13

新監督

 私は1974年ごろから広島カープのファンです。一時は強い時期があったものの、この20年近く優勝しておらず、ファンとしては残念な思いをしています。今年は新球場で、と期待したのですが、結果は5位で大いに落胆。

 カープはなぜ弱くなったか。私にはわかりません。でも感じることは、選手一人一人が自分のプレーに精一杯で、チームとして闘うまでいっていないこと。強いチームは、巨人しかり、日本ハムしかり、チームとしてプレーしていると感じます。だからプレーが泥臭い。泥臭いプレーに膝を打つ。弱いチームでも選手は一流です。プレーは美しい。しかし美しい分だけ、チームより自分になっているんじゃないか、なんて、知りもしないのに勝手に考えています。
 対照的に今年躍進したのは楽天イーグルス。これも見てもいないのに、成長したな、などと思うのは、野村監督の勝つ野球が浸透してきたに違いない、と想像させるから。実は、カープも強かったときは野村の教えを受けたといわれる古葉監督、が、野村に影響を与えた(といわれる)ブレーザーヘッドコーチとともに采配をふるっていました。勝つことをイメージさせ、そのための戦略を浸透させるのは、優れたリーダーの影響力のたまものでしょう。
 この差はビジネスにも通じるかな、どうでしょうか?

 カープには来年野村ちがいの野村謙二郎が監督として来るといわれています。逆にカープを去ったブラウンが楽天の監督になるとも。両監督には、きれいなプレーよりも、勝利への執着を見せてほしいものです。

 来年もカープを応援すると思います。

2009/10/11

LGの躍進

 「日経ビジネス」誌今週号に、LG電子の躍進について書かれていました。
 韓国といったらサムスンですが、LGも4兆円近い売り上げを誇る企業。携帯電話では世界第3位。日本の全メーカーの出荷台数を遙かに上回っているんですね。日本では今年からその携帯電話に本腰を入れているようです。たしかに電車でもLG一色の広告を見たような気がします。東京にデザインセンターまで構えているというのは驚きです。
 印象的なのは、販売店の優秀成績者を本社に案内し、歓待するという話し。花火まで打ち上げてくれて“苦笑”する参加者が、それでも「もっと売らなくては」と思ったというくだりには、私が苦笑してしまいました。この古典的なインセンティブ、単純なカレンシーは、やはり効くんですね。

 ビジネスで考えれば、これほど真剣かつ謙虚に消費者の要求に素直であれば、その見返りもやがて大きくなるに違いありません。