2010/02/18

素早い反応の前提には、相手に対する信頼が問われる

 数日前にSNSを試している、と書きました。あるSNSで、海外の見知らぬ同業者から日本で仕事できる人を紹介してくれないか、と問われ、3人の有能な専門家に「コンタクトしてみてください」と照会しました。この状況、ネットワークが重要となるビジネスの現状を反映していて、勉強になっちゃいました。

 3人の専門家は、この状況をどのように受け取ったでしょうか?あいつ(私)の紹介だから間違いないだろう、と思うでしょうか。知らない外国人とコンタクトするのは、いささかためらわれることでしょう。私もこの海外の同業者と会ったことがない。信用できそうだという直感だけが頼りです。いい話でなかったら、私が3人から信用を失ってしまいますから、あまり強く推せません。

 結果は、3人のうち2人が、コンタクトするのが遅すぎたのです。もう誰かに決まってしまっていた。現在の意思決定は早いです。

 このようなときに、早く対応するには何が問われるか?私は「信頼」だと確信しました。信頼とは、相手の状況がわかっていないときに、相手が腹黒くないと仮定して行動することと言っていい。信頼はリスクを負うことを可能にします。本当に適切な人物かどうかがわからなくても相手と取引するのは、リスクを負うこと、つまり信頼することです。山岸俊男教授(北海道大 社会心理学)によれば、信頼する力のある人は、信頼に足るかどうかの客観的な情報を集めるのも上手い。一瞬にして信頼できると判断し、踏みこむ。ところがためらいが表情にでれば、「あいつはこちらを信頼していない」と認識され、スピードが問われる社会で取引するのは難しくなる。

 今回の反省は、私がこの外国人の同業者を信頼できると確信しないまま、つまりリスクを十分負わずに、他者に紹介したこと。そこで紹介文句にインパクトがなく、紹介された側がためらってしまった。みなさんに迷惑をかけ、申し訳ない。難しいと感じました。
 次はどうするか。紹介するときは、思い切って自分がリスクを負う(あたりまえですが)。それがかなわないなら、自分には無理だとお手上げする。

 現代こそ信頼することが問われている、実感しました。

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