2010/02/28

「消費」のパラダイムでは、わからないことがあるにちがいない

 20世紀後半、人々の相互依存が進むにつれて、キャリアにおける生産と消費のバランスは激変したにちがいありません。つまり、「自分でつくるよりも、買った方がいい」部分が劇的に増えたと。例えば、食事するのに、材料は農業や漁業を営む人が生産した素材を、スーパーマーケットなどで買ってきて調理します。加えて、外食、中食の機会も少なくないですね。

 どうやら、このことがだめにした職業があります。エヴァン・I・シュワルツ「発明家たちの思考回路 奇抜なアイデアを生み出す技術」(ランダムハウス講談社)によると、1941年の国勢調査から「発明家」という職業は削除されたのだそうです。

 この本のプロローグにいわく「消費者の立場で考えるのをしばらくやめなくてはいけない」。ほしいかほしくないかで考える、人から認められるかどうかで判断する、などを排除し、ものごとの見えない本質を探究することこそ、発明家のスタートなのだそうです。私たち、売れるか売れないかで考えちゃいますからね。心に引っかかることを探求すると、新たな価値が生めるのかも知れない。そんな気がしています。

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