2010/01/09

トヨタのコメント

 トヨタの豊田章男社長の記者会見時のコメントが、9日朝の日本経済新聞に載っていました。いわく「暴風雨は抜けた」です。トヨタの早期の立ち直りには、多くの国民が期待していることでしょう。

 その中で気になるのは、「トヨタはアライアンスはあまり得意ではない」です。他社と連携していくよりも、傘下のダイハツ、日野、デンソーなどとの連携強化で乗り切ろうとしているとのこと。スズキがVWと、三菱自動車がプジョーと提携を進めるのに対して、トヨタは独自で行くということですね。これは「多様性は拒否します」「身内になれば協力します(外のことは存じません)」と言っているようにも聞こえます。「弊社はマネジメント力不足なんです」、が本音と受け取る人もいるでしょう。

 真意はわかりませんが、私は社長のご謙遜と考えたいですね。

日本GEの取り組み

 「日経ビジネス」1月11日号「時事深層」に、“殺し文句は「中小を世界へ」”というGEの取り組みが書かれていました。宮城県と組んで、県内の中小企業を世界のGE技術者と結ぶというイベントです。以前も聴いたことがあるのですが、GEは世界から投資の機会やリソースを発掘することに大変なエネルギーを注いでいるようです。人材ではグローバルにリーダー候補者を捜していますし、土地、技術など、投資の機会には敏感で、世界中の優秀な社員を駆使してチャンスを探しています。この記事によると、地方に埋もれた中小企業の技術を発掘するのが目的だとか。多くの日本企業と従業員が、大企業や既存の取引先との継続的な取引を好むのに対して、GEのオープンさには感心します。そういえば、日本のベンチャー、例えば京セラのような会社でも海外で認められて成功したのでしたね。

 興味深いのは、このチャンスにGEが自社製品を宮城県に営業攻勢をかけていることです。医療用機器など県内の病院に納められれば、会社にとってもプラスです。実にWin-Winのアプローチです。相手の利になるところを探していけば、いろいろなチャンスが見つかるはず。GEはビジネスに必要なカレンシーの交換をよく理解しているのでしょう。彼のグローバル企業が、世界的に尊敬され大きなインフルエンスを発揮しているのは納得できます。

2010/01/07

我田引水

 我田引水とは、「物事を自分の利益になるようにひきつけて言ったり、したりすること(広辞苑)」だそうです。

 今朝の日本経済新聞には竹中平蔵教授の論文があり、勉強になりました。でも、後半に、現在の状況に対する処方箋として「国民がもっと経済リテラシーを高め、責任をもつこと」とあり、いささか苦笑させられました。私だけではないと思います。

 竹中先生の論文には「国民がわかっていないからダメなのだ」というニュアンスと、ご自身の専門の経済学に触れれば解決する、という単純化が見えて、ああこれがきっとすばらしい人なんだろうにあまり好かれない理由なんだな、と思いました(私は先生のことを好きでもきらいでもありません)。そして「我田引水」という言葉を思い出したのです。

 私も、みんなが「影響力の法則」を読んでくれたら、もっと組織の問題が減るだろうに、とか考えています。しかし、何でもかんでもここに引っ張ってくるのはかえって問題の解決にならない、と考えてしまいます。人によって抱える問題の本質は異なりますし、見立てが済むまでは解決策を与えられないと。あからさまな誘導と、個別対応と、どちらが有効か・・・

 ひとつはっきりしているのは、竹中氏は国務大臣という大きな役割を果たし、国民の矢面に立ってリスクも負ってきたので、その言葉に従う人(カレンシーを返す人)が大勢いるということでしょうね。

2010/01/06

断食の成果

 昨年、成田山で断食を体験したのは、以前書いたと思います。たぶん・・・。私が体験したのは、3日間の最短日程でした。3日前ぐらいから食事を絞り始め、断食を終えてからまた数日かけて元に戻す。断食の後では、体調が良くなり、花粉症もなくなり、もちろん体重が減る。なにより頭が冴えて実に気持ちよかった。

 今日妻が言うのです。断食すると、外部から何も取り入れない。すると自分の中のリソースを使わなければならなくなる。断食の効果は、外からの借り物で生きるのではなく、自分自身の力で生きるようになることじゃないか、と。私たちの身体は、外部から食物として取り入れたものからできています。同時に取り入れたと同時に食物をエネルギーにしてもいます。過剰な摂取は、何らかの形で蓄積されている。そこを年末の大掃除のようにクリーンナップしてやると、身体が活性化してくるんじゃないか。

 交換の活性化にもなるに違いありません。

2010/01/05

強みの交換

 昨年末の授業で、学生に自分の強みを他の学生の強みと組み合わせておもしろいことをやるとしたら、という課題を出しました。これは過去の授業のなかでも、もっとも盛り上がったかもしれません。思いがけないアイデアがわく、意外性がおもしろかったと思います。私の意図は、自分の強みを他の人と組み合わせていけば、生きていけるんだよ、ということだったのですが、納得してくれたようです。

 歴史を見ても、資本家の資金と国家の軍事力の交換が、頻繁に起こっています。それで、国境を越えた連携ができるのです。例えばジェノバの商人は、スペインの軍事力と結びついて、地中海西部一体に事業を拡大します。交換できる強みがあれば、どこでも生きていけるはず。

 今年はどこで何と何を交換しますか?

2010/01/04

仕事始め

 今年の仕事始め。株価は上がったものの、雇用の不安は消せない。みんなが真剣勝負だ、と感じるスタートでしょう。

 鳩山首相の年頭会見。苦しいスタートとなった鳩山政権ですが、ステークホルダーが複雑に入り乱れて、簡単には決められない。沖縄の駐留一つとっても、おそらく史上初めて「基地反対派」が投票した民主党政権です。彼らの期待を裏切ることは容易ではない。とはいえ、すべての期待に応えることはできないのが現実で、リーダーはそのときの態度で真価を問われるのだと思います。つまり、ネガティブなカレンシーを相手に渡しながら、「おまえが言うんなら仕方ない」と感じさせるだけのカレンシーを渡さなければならない。


 昨夜は、親友の久保田浩史君と荒巻鮭を焼いて一杯やりました。今年の展望など話そうとすると、大河ドラマ「龍馬伝」が始まっちゃったりして、なかなか話せない。結局一升空けてしまいましたので、途中からどうしようもない話しになっていたかと思います。でも、少し”ぶっ飛んだところ”でやっていこう、という結論に達しました。常識外れを実現させるのが、テーマです。もちろん真剣勝負です。

2010/01/03

凧揚げ

 今年の正月、公園で凧揚げしている親子を大勢見かけます。いつの間にか和凧よりもゲイラカイトが主流になっていますね。昔ながらの目の描かれたものだけでなく、ディズニーのキャラクターなどカラフルな凧が、東京湾に面した公園の空を舞っていました。

 思い出したのは、私の少年時代、ゲイラカイトが日本に上陸した頃のこと。父と80メートルぐらいのたこ糸を3本ぐらい結んで200メートル以上にして飛ばしていました。すると、うちの凧だけが遠く見えなくなる。手にかかる風の圧力も強烈で、あれは楽しかった。昔の冬の思い出です。

 さて、気になったのは、凧揚げする本人と補助者との呼吸が合わないこと。いや、正確には、呼吸が合わないのではなく、両者がやるべきことをやっていないこと。凧を揚げるときは、糸を引っ張る凧揚げ主体と、凧をもって凧揚げを手伝うひとがいますよね。そして風を受けられるように、走りながら揚げるのではなかったでしょうか?しかし、走っている人は極一握り。多くは凧を放せば揚がると信じているかのごとく、何もしません。補助者が放すだけ。そして、地面に落下。

 何人もの親子や夫婦がこんな調子なので、奇異に感じたのですが、それは私だけだったでしょうか?
 もっと交換を!今年のテーマです。