2010/09/02

民主党代表 選挙2

 昨日から大阪にいます。暑いです。東京よりも暑い・・・。でも、研修の参加者は元気ですね。やはり暑さになれているんでしょう。うまく適応できれば、たいがいの環境の変化にはなれてしまうものなんですね。

 さて、大阪でも連日例の代表選挙の話題です。昨日も食事に入った店のテレビが解説をしていました。音が出ていなかったので内容は分かりませんが、解説者の表情は「俺は知っている」という感じで面白かった。私も連日便乗です。

 各方面で菅首相が小沢氏に頭を下げたといわれていますが、本当にそうか、それはなぜか。
 今朝の新聞によると、菅氏の支持者と小沢氏の支持者は、数の上で拮抗しているようです。態度を決めていない170名次第とか。ではこの170名はどう考えるのでしょう?

 多くは小沢氏に恩がある。それをはっきり言う前首相のような人もいる。同様に小沢氏支持にまわりたい。あるいは、小沢氏を支持しなきゃ、と考えている。しかし、後援会は「小沢じゃだめだ」「首相をころころ変えるな」「グレーだぞ」などと言って、首を縦に振らない。多くの代議士の心は二股に裂かれているのでは。直前まで迷うでしょう。大方の予想に反して菅氏が勝つのかもしれません。
 菅氏にとってその場合が問題です。小沢氏は負けるつもりでたっているかもしれない。民主党を割って出て行く理由になりますから。支持者の数は、そのまま他党との連携につながる。経済危機に立たされている日本に政争を繰り返している余裕はない。だから、挙党一致が必要なんだ、負けても残ってくれ、というのが菅氏の本音ではないでしょうか。自分は負けても残ります、といったのもそういう理由じゃないか。

 まあ、カレンシーの交換で考えるといろいろ想像できますが、ここは結果を待つしかないですからね。このへんで。

2010/08/31

民主党代表 選挙

 菅、小沢両氏とも立候補しましたね。予想通りの結果です。

 私は菅氏のファンですが、影響力の点から考えると、小沢氏に学ぶところがあるように思います。小沢氏は政局になると力を発揮する政治家と思われているようです。省庁と闘うイメージがあるものの、官房長官ぐらいしか大臣をやったことがない。本当のところは、霞ヶ関を動かせるのかどうか・・・。その上、世論の支持率は著しく低いでしょう?それでも、党内代議士の過半数は小沢氏を支持するのです。なぜか?

 カレンシーで考えてみましょう。政治家の多くは元々は理想に燃えてこの道に入るんだと思います。最初から利権の仕切り屋になりたくてなる人はいないでしょう。ところが、実際には利権を動かさなければ何の政策も実現しないことに気づく。最初は大いにジレンマを感じるはずです。でも、政治とはそんなもの、と考えるようになるのは不思議ではありません。会社員だったら多かれ少なかれ分かるでしょう?そうして、社会の現実にまみれていくことにどこか後ろめたいところがあるんじゃないかなあ。
 そこに小沢さんは強力な二つのカレンシーを提示する。まず、選挙に勝つ戦術。これは素晴らしいテクノロジーのようですね。社民党も頼りにせざるを得なかったんですから。といっても、実は地道に努力を積み重ねることを要求する。ここにまじめな政治家の道を感じさせます。その上実際勝てるとなったら、これほど大きなカレンシーはないでしょう。
 もう一つのカレンシーは、省庁との対決です。政治家なら国民のために省庁の利権を再分配したいはず。しかし思うようにならないのは、あちらの組織も慣性が働いていて止められないからでしょう。しかし、小沢さんはそんなことお構いなしに、理想をぶつけてくる。友人の元新聞記者たちに聞くと、彼は見た目と違って大変な理想主義者だそうです。それで心酔する人々が多いとか。自分一人ではかなえられない理想を掲げられたら・・・。これほど心強いことはありません!

 さて、まとめると、生き延びる戦術と理想主義、この両面を使って人を動かしている。「影響力の法則」52ページをご覧ください。一番上とその次にこれらが来ているんですよ!!小沢氏の側近が小沢さんは「ステーツマン」と言っていました。本当は分からないんだけれど、そういう気持ちはよく分かります。

 小沢さんの最大の弱点は、省庁を動かせないことかもしれません。だとしたら、総理大臣になんかになったらぼろが出てしまう?本当ですか?分かりません。ただ、言えることは、リーダーがすべきことをしっかりとやっているように見える小沢氏から学ぶことは大きいというわけです。これは、プロジェクトマネジメントや部門の運営でも役立ちますよ。もちろん、しっかりと腰を据えてやらなければなりません。

行き詰まったプロジェクト

 先日研修でお目にかかったあるプロジェクトリーダーの方のお話しです。

 その案件を進めるには、他部門の協力が必要だそう。今すでにいくつもの案件を抱えており、絶妙な調整なくして結果を出すのは容易ではありません。当然、各方面に協力を求めます。ある部門はマネジャーが協力するよ、といってくれ、やれやれと思っていたのだそうです。

 ところが、部門のトップが突然NGをだしてきた。お話しをうかがったのは「なぜ?」というときでした。

 どうやら、部門を越えた要請は控えるように、という全社のお達しのようなものがあったのだとか(それが本当だとしたら、この会社大丈夫なのかな?社外とのアライアンスで生き残ろうとしているんでしょうね)。全社方針には逆らいにくいものです。しかし、本人に会ってみると、本当は何とかしてやってもいい、という雰囲気らしいのですね。こうやって「お達し」の隙間をくぐって、企業は発展してきたとも言います。プロジェクトXが受けた理由の一つはそこでしょう。

 とはいえ、この部門長、積極的に協力してくれるでもない。さてどうしたものか。たぶん論理的に説明してもだめで、「どうしてもお願いします!」という捨て身の行動が必要ではないでしょうか。もっとも、こうなるまえに予防策をはれるのが望ましいのは間違いありません。ステークホルダーひとりひとりにカレンシーを渡しておけばよかったのに。たとえば、相手の部門が困っていることを聞いておくとか、部門長の考えをうかがっておくとか、顔を出して「こんにちは」でもいいんじゃないかと思います。こういうことが、いざというとき助けになるものです。