2011/04/02

選挙は延期か?

 浦安市では、被災のため投票所の準備ができていないことを理由に、統一地方選挙を延期しようとしています。一方県選管では、是正指示を出しました。つまり、選挙を実施するようにと。

 市民としては複雑です。未だに上下水道が不通のエリアがあり、一部の自治会で選挙どころじゃない、といっているらしいのです。まあ、確かにそうでしょう。でも選挙戦が始まっているのに、候補者が誰かを知らないというのは、ちょっと異常事態と感じます。看板が立っていないんですから!

 市長としては、一部の市民に配慮したものだと思います。もちろん市職員も復旧に追われて大変でしょう。しかし、民主主義で、市民には投票の権利があり、法律に則って選挙が行われているというのに、情報が入ってこないというのは、マグレブ諸国やら世界各地の独裁国家の市民というのは、こういう体験をしているのかなあ、と想像をかき立てられるものであります。
 個人的には、カンボジアでもバルカンでも、完全な状態ではなくても選挙をやったわけですし、「みなさんにはご苦労をかけていますが、選挙は国民主権の基本です、やらせてください」とお願いしてやるべきじゃないの、と思いますが。いかがですかねえ?

 なぜこんなことになってしまったのか?想像してみると・・・、市内一部地域では被災地に対する市の対応に不満が噴出していると聞いています。当然、復旧が遅れれば不満も募ります。それで市側はそうとう不満をぶつけられたのでしょう。早く何とかしろ、行政はなっとらんと。それで優先順位が変わって(選挙が下がって)しまった。言い換えると、一部市民に特別カレンシーを渡して、埋め合わせしなければならない状況。これは好意的な解釈です。
 意地悪な解釈は、市長がリーダーシップを発揮している格好いいところを見せたかったか。県や国にくってかかるとウケるのは、大阪や名古屋で見てますからね。とはいえ、市長は4選を果たしたばかりだし、松崎さんは立派な方ですから、これはないと考えましょう。いずれにしても真相がわかるのはずっと先でしょう。

 私の興味は、後に引けなくなった市長が次にどんな行動に出るか。鹿児島方面で見られたような議会不在のまま先決決裁の独裁者?になるのか、適当な着地点におりられるのか。もちろん、選挙をやらない、というのに黙っていない市民も出てくるはずだし。県と市が互いにネガティブカレンシーを交わし合った結果に目が離せません。

2011/03/29

停電の交差点

 計画停電の日は、信号が点灯していない場所があり、ひやひやさせられます。一昨日でしたか、またある交差点で。
 ああ、停電している、嫌だなあ、と思いながら、私は直進しようと思います。前には右折するクルマが並んでいるばかり。警察官はその影で見えません。この交差点どうなっているのか・・・。まずは速度を落として接近し、手信号を送っているはずの警察官を捜します。いたいた一人の白い上着を着た警察官が、右折車に進むよう合図を送っています。そして接近する私の車を見て直進しろ、と右腕を振りました。私はちょっと安心してそのまま交差点を直進することができました・・・。

 お気づきと思いますが、私は警察官を目で捜し、警察官の指示を仰ぎ、言われるままにクルマを走らせました。その間、他のクルマの動きを見ていません。ただ、警察官の動きを見ていただけです。この場合、私は一切現実に起こっている動きを注視していません。左からクルマが来ていたかもしれませんが、一瞥もくれていません。それで、走り抜けちゃった。
 これって、会社でおこっていることに似てませんか。こうやって、会社で生き抜いている人たくさんいますよね。上役の顔色だけ見て、指示を待つ。現実を見ようとしない。何が問題で、何が起こりうるのか、一切関知しない。

 私にとって信号のない交差点はちょっと慣れない状況です。人はなれない状況にはいると、現実よりも他人の動きを気にしてしまい、他人に言われるがまま動きやすくなるのでしょう。会社の中でも同様の出来事が少なくないはず。しかし、リーダーの立場にいれば、そんなときでもメンバーには自分の顔色ではなく現実を見るように促すことが大切です。そうして現実を直視し、主体性を発揮させること。そうして自分で判断する能力を培うこと。
 コーエンと、ブラッドフォードは、このようなリーダーシップを責任共有のリーダーシップ(ポストヒロイックリーダーシップ)と呼びました。責任共有のリーダーシップのもとでは、メンバーは主体性を発揮することが強く求められます。初めての状況であっても、難しい状況にあっても、メンバーは現実を見据え、自ら判断しなければなりません。その結果、よりよい判断を速く下せるようになると考えます。難しい状況でこそ、メンバーの能力が求められるのですから。もちろん、メンバーが主体性を発揮するにはリーダーの影響力が求められます。日本でも成功しているプロジェクトは、リーダーがメンバーに考えさせていますよね。アメリカでも同じだそうです。みなさんの難しいプロジェクト、メンバーの頭は回っているでしょうか?

 それにしても、交差点で信号をちゃんと出している警察官っていませんね。昔、教習所で習ったウデを広げたり向きを変えたり、というのはやらないんでしょうか。今、交差点で見られる、あのような仕事ぶりなら、工事現場で交通整理をしている警備員でも十分なんじゃないかなあ。警察官も慣れない状況にいるんでしょうね。(この記事は、警察官の訓練風景のようです)